寄稿「嵩山」

山岳4団体の声明文に触れてくださいと言うのが、編集者からの要請でした。発表されたときに読んでいましたが、深く考えていなかったので、自分の意見を入れて書き上げるのに悩みました。
この連載も3ヶ月ぶりに再開です。登山も「レジャー」のくくりで、外出を楽しむ話題として避けられたのです。そのことのほうに違和感がありました。里山歩きが感染源になるものかと。ただ、その状況下で無理やり出かけたいとも思いませんでしたので、「巣ごもり」を経たあとの、自然な山歩きができたように思います。
ところで、昨夏、連載第114回「ひろしま県民の森」で、病気で入院をしたことを、その後の山歩きと合わせて「里山」に載せました。
それを指して、亡くなった友にこう言いました。「山の記事を書いてるフリしてさ、自分史を書こうとしているのよね」。彼は、してやったりと言ったふうでニヤリとしました。
当分、彼には会えません。山の上なら追いかけましたが、今は雲の上です。
ヘビースモーカーでした。昨今、庭の池に舞うホタルが彼に見えてしまいます。

山頂から中海越しの大山

休憩所から松江市南部の山々