寄稿「大床」

寄稿「大床」

初めて訪れた時は、春ではなかったと思いますが、梅が咲くころが気に入り、決まったように歩いています。

出雲北山は、ミツマタも多く自生しています。下草の少ない当地に鮮やかな色を添える時期です。

湿地帯が苔むして、脇にそのミツマタが咲き、日が当たれば水面がキラキラして・・・と思い入れはあるのですが、考えてみれば平凡な景色で、個人的な思いをどう表現したものかと悩みました。

その近くにある廃屋が目に見えて崩れていました。

20数年前は、廃屋なんてそんなに目にすることもなかったように思います。だから怖いと感じたのかもしれません。今怖いと感じるとすれば、いつか我が家もあのようになることですね。

傷んだ空き家は街中でも増え、我が家の隣も数十年来の廃屋です。

そんないつか、を悩むより、目下の生活を大事に生きていかなくては。