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食べ歩かない、比べない
パン屋のまねごとを始めた、といいますと、さぞあちこち見て回ったのでしょう、と言われることもあります。
そんなことはありません。数えてみれば、思いつく松江のパン屋は片手ほど。よく行く店というとさらに指は余ります。
パン作りのきっかけが、量販のパンの添加物の多さに疑問を持ったからなので、パン屋通いに熱心だったのではありません。週末、自分でパンを焼くようになってからは、人様のお店も勉強しなくては、と思いつつ、かえって足がとおのく始末。
話は変わりますが、20才前後、かなり太っており、ダイエットに明け暮れました。それでまあ、やせられたのですが、それが高じて摂食障害に悩まされました。寝ても覚めても「食べると太るし、食べ出すと食べすぎてしまう」のせめぎ合い。
そのせいか、今でも食に興味があることは、恥だと思っています。だから、少食が美しいと。それで「食べ歩き」が嫌いです。お取り寄せだの遠くの名物ランチを食べに行くだの・・・
食べることはもちろん生活の楽しみですが、どんなに飾っても、食欲は本能ですし排せつと結びつきます。
さまざまな過程で「誰かがつくっている」ことを考えたとき、食は趣味でも遊びでもないことに気づきます。
自分がパンを作り始めて、人様に提供し始めて、よりそう思います。口に合う合わないがあり、技術の巧拙があります。でも、点数をつけられるみたいに、あまり比べられたくないな、と思います。