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オーブンからお皿へ

「パンは焼きたて」。想像しただけで胸がときめきます。
でも、店頭にパンを商品として並べるのに、そのことをすっかり忘れていました。
衛生上、パンを個包装することが求められています。誰が命じたわけではありませんが、感染症予防のため、その風潮になりました。
私の方でも、どのみちお客さまにお渡しするのに袋に入れますので、その時にもたもたしないように袋に入れて並べるよう作業を早めました。
袋に入れるためには、冷まさないといけません。けっこう置いて冷ましたつもりでも、袋の内側につゆがつくもので、作業する者としては、早く冷めろの一心です。
先日、ちょっと早めにのぼりを立てましたら、隣のお姉さんがそれを見て、お皿を持って来られました。
「袋に入れられないような、アツアツがあるかなあと思って」。
お客さまひっきりなし、という店ではありませんので、朝早くから焼いて待ち構えることはないかもしれません。ですが、のんびりしすぎて、まだ焼きあがらない、ではお客様のこころを冷ましてしまいます。
それにしても、焼きたてパンに接しているのに、その感動をわすれて「冷めろ冷めろ」はいけませんね。
もっとも、パンは冷めたて、という言葉もあります。熱すぎては味わいもなく、蒸気がとんで生地が落ち着かないと、食パンを切ることもできませんから。